● 第二回Q&A、葉山透に関するあれこれ
第二回目です。今回は主に葉山透と創作にかんすることについてです。


☆設定資料集はありますか? キャラクターや遺産のデータが知りたいのですが。

 最近、こう聞かれることが多くなりました。
 しかし私の場合、個人作業なので、基本的に設定は自分の頭の中と、パソコンの中のメモ書きです。
 必要になれば、そのときに「自分だけ解ればいいや」というものを、手書きで書いているので、HPで皆様にお見せできるような「設定資料集」は今のところ作っていません。
 また、設定は今後の展開のキーになることもありますので、設定に関する質問にはお答えできません。ご了承くださいませ。
 少しだけ楽屋裏公開ということで、自分専用の設定資料集を写真にとってみました。
 「9S」III、IV巻の時の、設定資料やプロット表の一部です。


☆小説家になろうと思ったきっかけは?

 小説を書こうと思ったきっかけは軽い気持ちでした。二次創作、いわゆるパロディ小説です。
(デビュー作「金の瞳の女神」のあとがきで書いてあるとおり、昔から夢だったとか、ずっと勉強していたわけではく、文章を書くのはむしろ苦手で嫌いでした)
 では「小説家になろう」と思ったきっかけは、と聞かれると、うーん、と考えてしまいます。なろうと思ってなれるものでもなく。
 デビューして仕事にできる確率なんて、砂漠の中で砂金を探すようなものだろうと思っていたし、小説を書き始めたときはもうすでに社会人だったので、プロを目指そうと思ったときも、生活や仕事との両立を考え、自分なりに重い決心がいりました。
 ええと、つまり、小説を書き始めたきっかけは思いつくけど、小説家になりたいと思ったことは、きっかけという言葉では表わしきれない、いくつもの出来事と、葛藤と、強い情熱があったように思います。
 職業を小説家と答えられるようになって、まだ一年そこそこ。
 「これ一本で飯を食っていく」となるとシビアな世界。十年後も二十年後も、「職業は小説家」でいられるかどうか、私自身、まだまだ先は見えないなあ、というのが本音です。


☆イラストレーターさんとの出会いを教えてください。

 イラストレーターさんを決めるのは、ほとんどの場合、作家ではなく出版社の担当さんです。
 キャラクターのイメージラフと一緒に「この方にお願いしようと思います」と知らせがやってきます。
「ルーク&レイリア」の睦月れいさんも、「9S」の山本ヤマトさんも、このパターンでした。
 お二人とも作品の世界観にぴったりで、本当に恵まれていると感謝しています。
 初めて直接お会いしたのも、編集部のセッティングでです。
 睦月さんとはデビュー前の八月に、新宿の飲み屋で顔あわせ、いきなり朝までカラオケコースで盛り上がりました。
 山本さんは顔合わせが延び延びになって、結局、電撃の忘年会で名札をつけている葉山を山本さんのほうから見つけていただきました。
 お二人とも、イラストだけでなく、お人柄も超いい方で、忘年会のときは、睦月さんと山本さんと一緒にホテルをとって、皆で朝まで騒ぎました。
 とても楽しかったです。


☆文章を書くうえで気をつけていることは?

 読みやすいこと。
 擬音、当て字、傍点、○○と書いて××と読ませてルビ、造語をできるだけ使わないこと。
 (好みの問題ですが、今の私はあまり文章装飾が好きでないようです)


☆9Sの意味がわかりません。

 口絵の次の、最初の白黒ページの一番下に小さい字で書いてあります。
 意味は、ここで書いてしまうとみもふたもないので、翻訳ソフトに放り込むか、英語が堪能な方に聞いてください。
「金の瞳の女神」と「9S」はとても気に入っているタイトルです。


☆ルーク&レイリアの四巻は出ないんですか?

出したいです。とてもとても出したいです。
買ってください。買った人は、お友達に宣伝してくださ……。


☆キャラクターやストーリーはどうやってうまれるのですか?

 難しい質問……。
「こういうパターン」というのがあれば、その通り描けば出来上がるハズなのに、いつもいつもいつも、限界まで引きこもり、編集さんに心労をかけているのは、その話ごとにいろんなパターンがあって、一概にはいえないからなんでしょう。
 ルクレリはファンタジー、9Sはトンデモ大風呂敷小説ですが、両方とも実際の取材、資料調べは、できる限りやっています。
 幸い、大学の先生のような専門家や、やたらと博学だったりする頭のいい友人が多いのでいろいろ聞いたりもできますし、自分の足で行けるところに行くようにしています。


☆今までで一番大変だった話は?

 どの巻も大変だった……。それぞれに愛着もあるし、どの話も作者としては気に入ってます。(幸せですね)
 一つだけあげろといわれれば、ルーク&レイリアの三巻「ネフィムの魔海」。
 トリックを思いついたとき、やりたいけれど、なまじ海を少しだけ知っているがゆえに帆船なんて絶対無理とあきらめかけていました。が、地道に取材をして調べていたら、実際に乗れる帆船を「海星」を見つけることができ、そこから道が開けました。実際乗って、調べて、聞いて、いろんな文献もいっぱい読んで描きました。
 船乗りさんから「よくかけてるよ」と褒められたときは嬉しかった(涙)。
 これで、自分には描けないと思っても、最初から諦めてしまわないで、努力すれば描けるんじゃないか、という勇気が持てたような気がします。


☆使っているワープロソフトは決めてますか?

 ワープロソフトは昔の古いパソコン時代、動作が重くてあまり好きではなかったので、「秀丸」というエディタを使っています。字を書くだけなので、特に不便もなくずーとこれを使っています。
 銀座の伊東屋で特注したネーム入り原稿用紙と、神田の金ペン堂であつらえた万年筆で執筆が憧れなんですが。一生無理でしょう……。


☆行き詰った時のリフレッシュ方法。

 ひたすらパソコンの前でうなり続けます。
 行き詰まっているときには、締め切りも迫っているので、出かけたりする精神的余裕もなくなります。
 生きるための必要最低限の買い物とかゴミ出しや洗濯なども、リフレッシュと楽しんでやれればいいのかもしれませんが……だめですねえ。
 ただひたすら、引きこもって、パソコン部屋で悩みます。
 アロマテラピーしてみたり、怪しげなパワーストーンを握ってみたりしますが、リフレッシュとまではいかないかなあ。
 原稿が終わったら、買い物とか、ドライブとか、行きます。自由に外にいけるだけで、どこで何をしていてもリフレッシュになります。でも同時に、あそこをまだこう直したいとか、著者校正まで考え続けて、著者校正終わると、次のプロットなので、あまり休みってないのかも。
 でも、つらいとは思いません。あてどなく書いていたときに比べれば、おもいきり小説を書ける今は、とても幸せです。

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